RIKEN/RIBF施設共用促進事業

E7A CRIB : 低エネルギー RIビーム 照射ライン

CNS Radio-Isotope Beam separator(CRIB)は、 東京大学・原子核科学研究センター (CNS)が開発した 低速重イオンビームからRIビームを生成・分離する装置です。
CRIBについて詳しい情報は、 CRIBチーム 山口研究室 を参照してください。
AVFサイクロトロンで加速された一次ビームを、1気圧程度のガス標的(一次標的)に照射して、 核子移行反応によって、二次ビーム (RIビーム) を生成します。 第1焦点面 (F1) には、エネルギー分布選択スリットがあり、 ここでRIビームのエネルギー幅の調整、及び目的のRIビームの選別をします。
第2焦点面 (F2) にある、真空チェンバー中で、RIビームの照射が行えます。 RIビームのエネルギーが低いので、大気圧中での照射は困難です。

E5A-BeamLine

CRIB

CRIBの仕様
最大エネルギー 110 * Z^2/A MeV, 1.1Tm
角度アクセプタンス 5.6 mrad
立体角 6.4 msr
分析可能エネルギー幅 30%
運動量分解能(F1) ~ 1/850
焦点 F1 (dispersive)
F2 (double achromatic)

E7A CRIB : 真空中照射スペース

Fig2

F2真空チェンバーの写真です。 チェンバー中には、2本の横スライド機構があります。 上流スライドには、ビームスポット確認用のビームビューアー(ZnS板)と、回転式エネルギー減衰板があります。 照射試料は下流スライド上に配置します。ビームエネルギーとスポットサイズを測定する場合は、 その脇にある位置読出し式半導体検出器(PSD)をビーム上に移動します。

Fig2

F2真空チェンバー中の模式図です。 課題申請書・セットアップ の挿入図として、適宜修正してお使いください。
F2真空チェンバーの上流側には、常設のF2スリットチェンバーがあり、照射される RIビームのスポットサイズを 小さく制限できます。また、回転減衰板の下流側にスリット板を配置して、照射試料直前で より正確にスポットサイズを決める事もできます。 照射される RIビームのスポット分布、及びエネルギー分布を、PSD検出器で測定します。 そして、この測定を行ったのと同じ位置に、照射試料を移動させてから照射します。

Fig1a Fig1b

F2真空チェンバーの概略寸法図です。 照射試料は、下流側スライドのワークテーブル上に配置してください。 照射試料の最大サイズは、約 □ 横 245 x ビーム方向 100 x 高さ 200 mm で、 ワークテーブルから 80 mm の高さが、ビーム軸になります。
ワークテーブル上で、照射試料を動かしながら照射することも可能です。 例えば、ワークテーブルを周期的に横スライドさせながら とか、 利用者側でご用意頂ければ、試料を回転させながら照射 なども可能です。 F2チェンバー側面から、BNC, SHV, 多芯制御線 等を取り出す為の真空 Feed Through があります。


利用可能な RIビームと照射条件

施設共用促進事業のビームタイムとして加速実績のあるビームについては、 ビーム供給実績表:CRIB をご参照ください。
この他にも、学術利用では多種多様なRIビームを生成しております。 主なRI核種とその強度については、 CRIBのビーム実績(学術利用) をご参照ください。