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研究会・AGセミナー情報

第9回RIKEN AGセミナー

日時 2023年6月20日(火)16:00-17:30
場所 Zoom開催
講師 秋吉英治 氏(国立環境研究所シニア研究員、理化学研究所客員主管研究員)
タイトル 「化学気候モデルを用いたキャリントンイベントの中・下層大気への影響解析」

講演概要

オゾン層の将来予測と気候変化の解明のために開発した化学気候モデル(3次元モデル)を応用して、過去の巨大太陽プロトンイベントの大気への影響を研究している。2003年に起こったハロウィーンイベント後のオゾン変動の観測データによってモデルの妥当性を確認した後、1859年のキャリントンイベントによる大気組成への影響のシミュレーションを行い、微量成分や気温の変動を解析した。オゾン、NOx、硝酸、気温の変化がイベント後徐々に下方に拡がる様子、オゾン変化を介した気象場との相互作用、大気の微量組成の違いと影響の違い等に注目している。特に、成層圏から対流圏への影響を見るためにはアンサンブル実験が必須であることを示す。

第8回RIKEN AGセミナー

日時 2018年6月13日(水)15:00-17:00
場所 理研 研究本館423室
講師 栗田 直幸 氏(名古屋大学 宇宙地球環境研究所・准教授)
タイトル 「ドームふじ氷床コアに記録されている安定同位体情報の再解釈」

講演概要

 ドームふじ氷床コアなど、氷床頂上部に保存されている同位体情報から古気温や古水循環の解読が試みられている。しかしながら、これまでの研究では、氷床頂上部に輸送されて北水蒸気が降雪をもたらすという仮定に基づいていており、内陸域ではローカルな降雪(ダイヤモンドダストなど)が主要な降雪であるという気象観測結果を考慮していない。そこで本研究では、降雪形成機構の違いが氷床コアの同位体比に与える影響を考察し、氷床コアに記録されている酸素同位体比の解釈に関して再考察を行う。

 南極内陸域にもたらされる降雪は、(1)低緯度からの水蒸気輸送による降雪(以下、総観規模的な降雪)と(2)輸送を伴わない降雪(以下、局地的な降雪)に分類できる。一般的には、気象解析に基づいて降雪タイプ分類が行われるが、気象観測地点が少ない南極内陸域では気象解析を通じて降雪のタイプ分類ができない。そこで、南極上空を主起源とする放射性水素同位体(トリチウム)を使って各降雪タイプの寄与を推定する。トリチウムは、極域大気中に降り注ぐ宇宙線(中性子線)と大気(酸素や窒素)の核反応によって生成される。また、洋上から蒸発してくる水蒸気にはトリチウムがほとんど含まれていない。それゆえ、洋上水蒸気が主成分である総観規模的な降雪はトリチウムフリーであるのに対し、南極大気の水蒸気によって形成される局地的な降雪は高トリチウム濃度となる。

 JARE54において実施された内陸旅行時に採取された表面積雪(55試料)のトリチウム分析結果をみると、ドーム基地周辺にもたらされる積雪のトリチウム濃度は洋上由来よりも十分高く、当地域に涵養する積雪には局地的な降雪の寄与が高いことを示した。さらに、氷床頂上部におけるトリチウム濃度の変化は、積雪の安定同位体比ともよい相関を示したことから、局地的な降雪の寄与がこの地域の安定同位体比にも影響していることが示された。

 本講演では、この結果をドームふじ氷床コアの安定同位体比に拡張し、アイスコアコンソーシアムによって収集されたデータを活用しながら、降雪のタイプの変化が同位体比変化の主因子であるかどうか検証を行う。

AGセミナー(7)

日時 2016年5月18日(水)14:30-16:30
場所 理研 研究本館423室
講師 小寺 邦彦 氏(名古屋大学 宇宙地球環境研究所・客員教授)
タイトル 「年平均気温に見る太陽活動の影響」

講演概要

第14回 NEXT ディスカッションミーティング

日時 2014年3月25日
場所 理化学研究所和光
テーマ 「超微量濃度の硝酸塩同位体分析の成果検討」
議論参加 望月、高橋、中井(理研)、木庭啓介(農工大)

第13回 NEXT ディスカッションミーティング

日時 2014年3月24日
場所 国立極地研究所、立川
藤田秀二

(招待講演)

「ドームふじ近傍アイスコアの物理特性の掘削地依存性と水同位体比研究」
藤田耕史

(招待講演)

「ドームふじ積雪ピットにおける安定同位体比のシグナル形成メカニズム」
望月優子 「DFS10アイスコアの酸素同位体比10年周期と太陽活動との関連」
議論参加 望月(理研)、藤田秀二(極地研)、藤田耕史(名大)

第12回 NEXT ディスカッションミーティング

日時 2014年2月17日
場所 理化学研究所和光
テーマ 「南極氷床コア化学論文関して」
議論参加 望月、中井、高橋(理研)、飯塚(低温研究所)

講演概要

AGセミナー(6)

日時 2013年9月9日(月)14:00-16:00
場所 理研 研究本館423室
講師 藤田耕史 氏(名古屋大学・准教授)
タイトル 「南極内陸における積雪堆積後の安定同位体変化-水蒸気輸送モデルの開発」

講演概要

 南極やグリーンランドなどで掘削される氷床コアを分析して得られる水安定同位体(酸素・水素)からは、過去の気温や湿度を復元できるとされ、アイスコア研究においてもっとも基本的かつ重要な要素と認識されている。近年の分析技術の発展により、アイスコアを利用した古環境復元研究は、より細かい時間分解能の分析を目指すと予想される。その一方で、表層数mの積雪ピットの分析からは、ドームふじなどに代表される南極内陸では、積雪層に同位体の季節シグナルが保存されておらず、数年から十年程度の周期を示すことが指摘されている。南極内陸では、極寒冷かつ乾燥した環境により、年間積雪は雪の厚さにして10 cmほどしかなく、堆積した雪が長期間表層付近にとどまると予想される。この表面付近での滞在中に、元々保持していた同位体の情報が変化すると考えられているものの、どういった過程で、どの程度変化するかについては、定量的に議論されてこなかった。 そこで本研究では、ワシントン大学のグループが開発した、積雪層内での拡散と通気過程を考慮した同位体変化モデルを再構築し、モデルの中で使用されている各過程の妥当性を検討すると共に、ドームふじの積雪ピットに見られた数年周期の復元を試みた。ワシントン大学のグループが扱った南極点基地での変化の様子はほぼ再現できたものの、そこよりも15 ℃近く寒いドームふじの環境では、同位体変化は顕著でないことが明らかになった。実際に積雪ピットで得られた同位体のプロファイルを再現するためには、風速25m毎秒という、非現実的な境界条件を与える必要があり、積雪内部の温度変化に伴う水蒸気輸送など、拡散や通気過程とは別の過程をモデルに取り入れる必要が示唆された。 また、モデルの中で必要となる、水蒸気の同位体の扱いは、積雪の同位体変化には大きな影響を及ぼさないものの、採用する同位体分別係数の近似方法によっては非現実的な値を持ちうることが明らかになった。 セミナーにおいては、現在取り組んでいる水蒸気輸送過程について紹介すると共に、現地観測も含めた今後の展望についても触れる予定である。

第11回 NEXT ディスカッションミーティング

日時 2013年6月15日(土)
場所 理研 研究本館 423室
テーマ 「成層圏を含む気候・気象モデルの今後2」
議論参加 望月(理研)、富田(理研計算科学研究機構)

講演概要

第10回 NEXT ディスカッションミーティング

日時 2013年6月14日(金)
場所 理研 研究本館 423室
テーマ 「成層圏を含む気候・気象モデルの今後1」
議論参加 望月(理研)、秋吉(環境研)、富田、梶川、八代、西澤(理研計算科学研究機構)、中井、高橋(理研)

講演概要

第9回NEXTミニワークショップ「気候変動の理論研究にフォーカスして」

日時 2013年6月14日(金)13:30-
場所 理化学研究所和光 研究本館435 会議室

講演概要

13:30-14:45  :  富田浩文 (理研・計算科学研究機構・複合系気候科学研究チーム)
「大気モデリングからの新たな大気宇宙科学フロンティアへの挑戦
~対流圏から成層圏、中間圏へ~」 Astro-Glaciologyセミナー(5)を兼ねて
15:00-15:50  :  望月優子(理研・雪氷宇宙科学研究ユニット)
「太陽活動と 気候変動に関する研究と動向」
15:50-16:20  :  秋吉英治 氏4(環境研/理研)
「太陽プロトンイベントの影響を 考慮した3D-CCM数値実験」

第8回 NEXT ディスカッションミーティング

日時 2013年5月10日(金)
場所 理化学研究所和光 研究本館424セミナー室
テーマ 「超微量濃度の硝酸塩同位体分析への挑戦」
議論参加 望月、高橋、中井、岡本(理研)、木庭、真壁(農工大)

AGセミナー(4)

日時 2013年5月10日(金)10:00-11:00
場所 理化学研究所和光 研究本館424セミナー室
講師 木庭啓介 氏(東京農工大学大学院農学研究院准教授)
タイトル 「硝酸イオンの窒素酸素同位体比:その測定の実際と応用について

講演概要

 硝酸イオンは様々な生態系で観測される窒素化合物であり、その挙動を解明しようと多くの研究がなされてきている。そのなかでも、硝酸イオンの窒素、酸素の安定同位体自然存在比は、自然環境において硝酸イオンがどのように生成、消費されてきたかという、履歴情報を与えるものとして盛んに研究に使われている。ここ10年で、この測定は劇的な進歩を見せ、低硝酸イオン濃度、高塩濃度、高有機物濃度といった測定が困難または不可能であったサンプルについても、比較的容易に、ハイスループットで測定することが可能になってきた。しかし、安定同位体自6存在比の測定は相対測定であり、確からしい測定値をえるためにはさまざまな留意点がある。さらに、望月プロジェクトで用いている、いわゆる脱窒菌法は、通常の生元素安定同位体比測定とは異なる点が多々あり、注意が必要である。 本セミナーでは、硝酸イオンの窒素酸素安定同位体比の基礎知識、特に測定の実際の紹介に重きをおきながらこのパラメーターの利用例を、大気硝酸イオン研究に関連させてご紹介する。特に理研プロジェクトで扱うアイスコアサンプルの特徴に触れながら、今後の測定方法をどう改善してゆくべきか、などにも言及する予定である。

第7回 NEXT ディスカッションミーティング

日時 2013年5月1日(水)
場所 理化学研究所和光 研究本館423室
講師 田代信 氏(埼玉大学大学院教授)
議論参加 望月優子、中井陽一(理研)、田代信(埼玉大)

Astro-Glaciologyセミナー(3)

日時 2013年5月1日(水)16:00-
場所 理化学研究所和光 研究本館423室
講師 田代信 氏(埼玉大学大学院教授)
タイトル 「すざく衛星搭載WAMのX線観測による太陽フレアの分類と典型スペクトルの提示」

Astro-Glaciologyセミナー(2)

日時 2013年4月10日(水)14:00-15:00
場所 理化学研究所和光 研究本館423室
講師 小端拓郎 氏(国立極地研究所)
タイトル 「極地方から見た過去4000年の気温変動とその原因を探る

講演概要

 極地方は、地球全体規模の気候変動が増幅される傾向にあるため、これからの地球 温暖化が増幅されて起こることが予測される。また、この増幅現象によって極地方の 過去の気温変動から広域の気温シグナル変動を知ることができる。このため、私たち はこれまでグリーンランドの氷床コアを使った気温復元手法を開発してきた。この手 法を使って復元した過去4000年のグリーンランドの気温は、物理的手法に則って復元 されているため、もろもろの過去の気温復元手法のうち最も精度が高い物のひとつで あるといえる。  このデータから、過去のグリーンランド気温変動の原因を解析した結果、グリーン ランドの気温変動は太陽活動が強い時、北半球傾向の気温変動傾向から寒い方向に、 太陽活動が弱い時暖かい方向にずれることが分かった。これは、太陽活動の変動に伴 う大気海洋循環の変動によるものである。また、過去4000年のグリーンランドの気温 変動の20%は、太陽活動、火山活動、温室効果ガスの変動、地球の軌道変動で説明で きることが判明した。このグリーンランドの変動から、過去4000年の北半球の気温変 動傾向を推測すると、現在の数十年の北半球平均気温は過去4000年で最も暖かい可能 性があることがわかった。  最後に、これから南極ドームふじコアを使い過去4000年の東南極の気温復元を行う 予定である。これは、地球全体の過去4000年の気温変動を知るカギとなる。

AG論文紹介セミナー (4)

Date 2012年11月13日 16:00 - 17:30
Place 424/426 Seminar room
Reporter S. Okamoto

Introduction of the Paper

Yoshinori Iizuka, Ryu Uemura, Hideaki Motoyama, Toshitaka Suzuki, Takayuki Miyake, Motohiro Hirabayashi & Takeo Hondoh: "Sulphate-climate coupling over the past 300,000 years in inland Antarctica", Nature, vol.490, 81-84, 2012.

AG論文紹介セミナー (3)

Date 2012年10月30日 16:00 - 17:30
Place 424/426 Seminar room
Reporter S. Kikuchi

Introduction of the Paper

H. Motoyama, N. Hirasawa, et al.: "Seasonal variations in oxygen isotope ratios of daily collected precipitation and wind drift sales and in the final snow cover at Dome Fuji Station, Antarctica", JGR 110, D11106, 2005.

AG論文紹介セミナー (2)

Date 2012年8月27日 16:00 - 17:30
Place 424/426 Seminar room
Reporter S. Kikuchi

Introduction of the Paper

K. Fujita and O. Abe: "Stable isotopes in daily precipitation at Dome Fuji, East Antarctica", GRL 33, L18503, 2006.

第6回NEXTディスカッションミーティング

日時 2012年8月14日
場所 理化学研究所、和光
テーマ 「宇宙高エネルギー粒子による成層圏大気化学組成の変動と大気循環モデル」
議論参加 望月、中井、関口(理研)、秋吉(環境研)

Astro-Glaciologyセミナー(1)

日時 2012年8月7日(火)15:00-16:30
場所 理化学研究所和光 研究本館423室
講師 原 圭一郎 氏(福岡大学・理学部)/Dr. Keiichiro Hara (Fukuoka Univ.)
タイトル 「エアロゾルから見た南極対流圏中の硝酸サイクル」/"stratospheric circulation of nitric acid in Antarctica from aerosol studies"

講演概要

 対流圏大気中の硝酸ガスやエアロゾル中の硝酸イオンは、反応性窒素酸化物の最終生成物であり、大気からの酸性成分の沈着と大気中で起こる様々な化学反応と密接に関係している。これまでの南極域でのエアロゾル観測から、エアロゾル中の硝酸イオンの濃度レベルや季節変化についての知見はある程度は得られているものの、南極大気中の硝酸サイクルについては、まだ十分に理解されていない。当日は、これまでの様々な観測結果から見えてきた「南極対流圏中の硝酸サイクル」について紹介する。

AG論文紹介セミナー(1)

Date 2012年7月31日 16:00 - 17:30
Place 424/426 Seminar room
Reporter S. Okamoto

Introduction of the Paper

R. Uemura, V. Masson-Delmotte, J. Jouze, A. Landais, H. Motoyama, and B. Stenni: "Ranges of moisture-source temperature estimated from Antarctic ice cores stable isotope records over glacial-interglacial cycles", Clim. Past, 8, 1109-1125, 2012.

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第5回NEXTディスカッションミーティング

日時 2012年6月29日
場所 国立環境研究所、つくば
テーマ 「宇宙高エネルギー粒子による成層圏大気化学組成の変動と大気大循環モデル」
議論参加 望月(理研)、秋吉、今村(環境研)

第4回NEXTディスカッションミーティング

日時 2012年5月14日
場所 国立環境研究所、つくば
テーマ 「宇宙高エネルギー粒子による成層圏大気化学組成の変動と大気大循環モデル」
議論参加 望月、中井、関口(理研)、秋吉、今村(環境研)

第3回NEXT合同キックオフミーティング 「南極氷床コアからさぐる過去2000年の太陽活動に関する分野横断的研究」

日時 2012年3月13日(火)〜14日(水)
場所 理化学研究所和光本所 研究本館4F 424セミナー室
議論参加 望月、高橋、中井、関口、菊池、岡本、島田、福島(理研)、高橋幸弘(北大)、堀彰(北見工大)、今村隆史、秋吉英治(環境研)、田代信(埼玉大)、本山秀明(極地研)、茂山俊和(東大)、熊谷紫麻見(日大)、鈴木啓助(信州大)、大村善治(京大)

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第2回NEXTディスカッションミーティング

日時 2012年1月27日
場所 国立環境研究所、つくば
テーマ 「宇宙高エネルギー粒子による成層圏大気化学組成の変動と大気大循環モデル」
議論参加 望月、中井、関口(理研)、今村、秋吉(環境研)

第1回NEXTディスカッションミーティング

日時 2011年11月22日
場所 国立環境研究所、つくば
テーマ 「宇宙高エネルギー粒子による成層圏大気化学組成の変動と大気大循環モデル」
議論参加 望月、中井、関口(理研)、今村、秋吉(環境研)