〒351-0198
埼玉県 和光市 広沢2-1
理化学研究所 RIBF実験棟206号室 (int. tel. x4702)

RIBF-206, RIKEN, Hirosawa 2-1, Wako, Saitama 351-0198, Japan
TEL: 050-3502-6211
FAX: 048-462-4464

リンク

理化学研究所 (RIKEN)

仁科加速器研究センター (Nishina Center)

EURICA Project  

筑波 Univ. of Tsukuba

大学連携大学院 (大学院生受入中)


RIBF Beam-time

核データ(NNDC)

宇宙核物理連絡協議会 (UKAKUREN)

重力波観測最新情報 (Gravitational-Wave Candidate Event Database)

様々な検出器開発 (以下、写真)
(Detector developments)

3He detectors (中性子)

Ultra-thin silicon:1+500um
(超低エネルギー原子核)

NiGIRI (中性子、荷電粒子、γ線)

WAS3ABi (β線)

EURICA (γ線)

CAITEN (β線)

Decay Exp. (β線、γ線)

位置検出型TOF検出器 (重イオン)

超高時間分解能TOF検出器: 7 ps (重イオン)

ニュース (News)

宇宙核物理と元素合成 (Research Subject: Nuclear Astrophysics)

-- 超新星爆発 (Hubble Siteより) --

 爆発的重元素合成:鉄より重い元素、例えば金やウランはどこで創られたのでしょうか?その起源として、太陽質量の8倍以上もの重い恒星が重力崩壊を起こし、大爆発する超新星爆発が考えられています。この重元素合成過程は1950年代に提唱され、急激に進むという意味のrapid(高速)の頭文字を取って「r過程」と呼ばれています。このr過程の特徴は、種となる原子核が周囲を飛び交う沢山の中性子を次々と吸収し、約数秒程度もの短時間に重く不安定な原子核が一挙に作られる非常に激しい反応にあります。ここで、重い元素を作るためには、これら非常に中性子が多く重い原子核(中性子過剰核)がβ崩壊により中性子を陽子に変換する時間が非常に重要となります。最近は中性子星同士の融合においてr過程が起きたという説も出てきており、未だに多くの謎が残っています。現在、RIBFで推進している原子核物理、分光分析や重力波などの天体観測、ニュートリノ加熱や中性子星における状態方程式を考慮にいれた大規模計算など、あらゆる側面からこの「重元素合成の解明」に向けた研究が進み、r過程に関する理解が進むと考えています。

私たちは加速器を利用した原子核研究から宇宙における「物質創成の謎」の解明に向けた研究を推進しています。また、従来の測定方法を打ち破る革新的な検出装置の開発も積極的に行っています。海外の研究者が沢山参加する国際的な研究環境です。世界最先端の新しい研究分野「宇宙核物理」をやる意欲のある方の参加もお待ちしております。(2016年から筑波大学・連携大学により学生の受け入れが可能となりました。)

キーワード
重元素合成 (r-過程)、β崩壊、核構造、高密度物質の状態方程式(EOS)、原子核反応、
遅発中性子放出、質量、核異性体、新同位体元素

研究プロジェクト(Research Projects)

EURICAプロジェクト (EURICA Project)

βγ核分光装置 (EURICA)
2012年から欧州γ線検出器(大球形ゲルマニウム半導体検出器を利用した世界最高水準の核分光研究プロジェクトEURICA(ユーリカ)を開始しました。これまでに100日間をかけて380種もの放射性同位元素のデータ収集に成功しました。不安定な原子核原子核が崩壊する様子をしらべることにより、希少な原子核の魔法数、核異性体、変形、重元素合成に関する新たな知見を次々と明らかにしています。今後、収集した大量のデータを解析することにより多くの研究成果が期待されます。


写真 (Photos)



BRIKENプロジェクト (BRIKEN Project)

βn測定装置 (BRIKEN)
非常に中性子過剰な原子核がβ崩壊する際には、中性子1個、または複数個を放出する遅発中性子放出が起こります。中性子の検出は容易ではなく、そのエネルギーは数eVから数MeVにまで拡がっています。そこで米国・スペイン・ドイツから約150本もの3He検出器を取り寄せた世界最高性能・遅発中性子測定プロジェクト(BRIKEN)を開始します(内、26本は科研費で購入)。β崩壊を測定する装置としては、英国で開発されたAID検出器(アイダ)、またはWAS3ABi検出器(ワサビ)を採用する予定です。


写真 (Photos)


CAITENプロジェクト (CAITEN Project)

βγn測定装置 (CAITEN)
β崩壊に伴い放出される遅発中性子のエネルギーを測定するためには、中性子の飛行速度を測定する必要があります。この飛行速度を測定するためには、ある飛行距離を飛ぶのに要する時間を精度よく測定する必要があります。そこで、高速・高時間分解能を特徴とするプラスチックシンチレータを導入したβ線検出器(CAITEN)を製作しました。約15,000個のピクセル型シンチレータを円筒状に配列し、内部に位置検出型光電子増倍管を配置した設計になっています。この円筒形シンチレータを毎秒1回のスピードで回転させ、同時に上下運動をさせることにより様々な種類の不安定核のβ崩壊を調べることが可能となっています。中性子検出器としては、γ線と中性子の波形の違いを利用した波形型シンチレーション検出器(NiGIRI)を開発しています。


写真 & 動画 (Photos and Movies)


高密度中性子過剰物質(EOS)の研究
(Study of Equation of State via Collective Flow)
: 超新星爆発における高密度中性子過剰物質状態(EOS)はどれ位硬いのか(柔らかいのか?)を探るために重イオン衝突を利用した高密度物質を作り、その圧力を調べる研究を始めました。ここでは、大強度ビームを利用した準正面衝突事象に特有の非等方的集団運動に着目した系統的な研究を検討しています。遅発中性子のエネルギー測定装置として開発したNiGIRI検出器を利用し、陽子や中性子に加え、その他の荷電粒子(d,t,3,4He, 6,7Li)やγ線バックグランドを識別する試みを始めました。 まずは、放射線医学研究所のシンクロトロン加速器からの大強度Xeビームを利用し、生成粒子の集団運動についてテスト実験(16H355)を開始します。

超低エネルギー原子核反応の研究 (Low-energy Nuclear Reaction) : ビッグバンやr過程などにおいて、元素合成の鍵を握る非常に重要な原子核反応があります。また、ウランの素となる重い中性子過剰核を作ることは難しく技術的な問題に直面しています。これらの課題を解決するための基礎的な原子核反応実験を検討しています。理研にあるペレトロン加速器からの低エネルギービーム(4He, 11B, 197Au)を打ち込んだ検出器の性能評価実験を開始しました。

写真 (Photos)




その他 (Others)

高エネルギー原子核衝突 (QGP)

◯ CERN-NA44

◯ CERN-WA98

◯ BNL-PHENIX

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