Research

②新放射性同位元素の合成

新放射性同位元素の合成研究では、入射核破砕過程と飛行核分裂の反応ダイナミクスの実験・理論研究を進め、不安定原子核の生成率と運動量分布を精度良く予言する理論モデルを構築していきます。現在用いられている理論は古典的なものか現象論的なものであり、量子ゆらぎ等の効果を採り入れた理論は存在しません。極めて中性子過剰な原子核を生成する稀な過程の記述には量子効果は不可欠であり、本研究は量子ダイナミクス研究の新しい成果を産むと期待しています。この理論モデルは、世界中の不安定核ビーム施設で行われている不安定核生成の基盤となるものであり、特に現在中韓で建設中のHIAF施設・RAON 施設を初めてとする次世代施設の装置設計に重要なフィードバックを与えることでしょう。