RIBF mini Workshop

“ 核子交換反応で探る6He 核内2中性子の空間分布“

--- p+6He(6Li)->n(p)+d+a(spectator)実験の結果を中心に ---

須田:toshimi.suda@riken.jp

加藤:kato@nucl.sci.hokudai.ac.jp

日時:6月8日(木曜日)10:00〜 17:00

於:理化学研究所 RIBF棟203号室


このミニワークショップの目的は、理研で測定したp+6He(6Li) -> n(p)+d+α(spectator) 反応の理論解析方法の開拓・確立である。

上記実験の目的は、p+d後方弾性散乱で主過程であることが知られている核子交換反応(ONE)を、6He(6Li)核内のαコアー外2核子系(nn(np))に適用し、これら2核子系内の相対運動量分布に関する情報を得ることであった。実験では、6He(6Li) 核のαコアー外2核子系と70MeV 陽子との後方散乱断面積を測定している。

p+d後方散乱断面積から重陽子内の核子運動量分布の情報を得ることが出来るように、上記反応では6He(6Li)のαコアー外2核子系内の相対運動量分布に関する知見が得られる。相対運動量分布は、不確定性関係により空間的な広がりの情報をあたえる。

データ解析はほぼ終了し、6Heと6Liの2核子ONE 過程の断面積比より6He核内には少なくとも6Li内のnp対程度の空間広がりをもつ中性子対の存在が明らかになってきている。6Li核内のnp対については電子散乱の研究があり、核内 np 系の“形状因子”は重陽子のそれとよく一致していることが知られている。

6He核内2中性子系についてのより詳細な議論を展開するためには、正確な波動関数や反応計算が必要である。上記実験データの解析方法の確立を目指し理論グループとround-table discussion を行い、理論解析の方法確立を目指す。


プログラム

[座長:小林 俊雄]

10:00  本ミニワークショップの目的について             須田 利美

10:10  核子交換反応と核内2核子系(30+10)      須田 利美

10:50   p+6He(6Li)->n(p)+d+a(spectator)実験(30+10)    吉田 敦

11:30  議論(実験データ)(20)                                       

             11:50〜13:00 昼食

[座長:井芹 康統]

13:00  CSMによる反応の記述pn(p,p)d,nn(p,n)d(30+10)      加藤 幾芳

13:40  6Heと11Liの neutron 間の相関(30+10)                菊池 右馬

14:20  6He(p,d)反応の DWBA解析(30+10)            高階 正彰

    15:00〜15:20 コーヒーブレイク

[座長:加藤 幾芳]

15:20  di-neutron 相関におけるテンソル力の役割(30+10)             明 孝之

16:00  一粒子軌道の広がりについて(30+10)                    池田 清美

16:40  議論(解析方法)、今後の宿題の設定                        須田 利美