Last updated: 2024/03/28

 【女性天文研究者の会】発足14周年を迎えました

研究者・技術者・科学コミュニケーター・教員・大学院生など、天文・天体物理分野に関わる女性が気兼ねなく集まって、研究・教育を進めていく上での問題等について、意見を交換したり、他の方の経験をうかがったり、世代を超えて知り合うことができる場を提供することを目的に立ち上げました。天文学会の委員会活動とは独立した、ボトムアップの自発的なゆるい集まりで、男性の参加も歓迎です。

お知らせ

これまでの活動記録

※は女性天文研究者の会主催、日本天文学会男女共同参画委員会共催の企画

 

第22回※ 女性天文研究者の会14周年特別記念講演会(共催:男女共同参画委員会)

日時:3月11日(月)12:15-13:30 参加費無料(2024年春季年会期間中)

場所:東大本郷キャンパス 理学部1号館10階 1042講義室 

講演者:加藤万里子 氏(慶應大学名誉教授)

タイトル:「70ババァの研究者人生総決算」(対面講演のみ)


内容:女性と物理、就職難と研究環境(貧)、別姓、研究戦略、別居結婚と子づれ留学、共同研究者の獲得と研究の発展、夫婦間は平等で。セクハラ・パワハラへの対応と教訓、科研費申請の通称名と日本学術会議の活動、天文学会で立ち上げた保育室が理系学会に広まったこと、トンデモ論文の紹介(実例指摘)、裏話。


講演者より:私が20代だったら、のどから手が出るほどほしい講演内容ですが、今回こっきりです。人との出会いは一期一会。逃した情報はたやすくは手に入らないというのが私の教訓。万難を排して東大まで来る価値はありますよ。若いころに望んだ通り、くそばばぁになったか見に来てください。


世話人より:オンライン配信はいたしませんので、これまで加藤さんと交流のおありになる方も全くご存じない方も、「一期一会」と思ってぜひ聞きにいらしてください。きっと、自分の研究者人生や学会の今後のあり方を考えていく、一つの貴重な体験になると思います。加藤さんの慶應大学ご退官記念講演で配られた冊子の現地進呈があります。内容は子育てエッセイや加藤さんの多彩な活動の紹介です。余った冊子は廃棄されるようなので、この機会にどうぞ。


担当世話人: 望月優子(理研、女性天文研究者の会)、石垣美歩(国立天文台、女性天文研究者の会、男女共同参画委員)


******「女性天文研究者の会 14周年特別記念講演会」 (男女共同参画委員会共催) 報告******

参加者:
- 85名+α、大学院生からシニア層まで非常に幅広い世代。立ち見も数名出た。
- 男性:4割超(参加者名簿で明らかに男性とわかる名前のみカウント)
- 大学院生+ポスドク:2割超
- 大学院生+ポスドクかつ男性:1割弱 
- 会長、副会長2名、庶務理事1名の参加あり
- 東大理学系研究科総務課の承認を得て、朝日新聞、NHKの取材が入った


加藤万里子さんの講演:
- 配布資料あり(講演スライドの一部コピーと、慶應大学ご退官記念講演で配られた冊子;配布終了)
- ポイント=「個々人」と「人権」を大切にすること
- 休憩をはさんでの懇談:22名参加(記者も参加)


tennet案内:2024年1月29日、2024年3月7日
tennet報告:2024年3月12日、2024年4月4日


加藤万里子さんに寄せられた感想より、加藤さんと本人の許可を得て抜粋:

今の女性研究者は、これまでの皆さんの活動の恩恵を大いにうけていると思います。研究の話も面白かったです。

大学院入学時に、先輩から「天文学では女性が活躍しやすい環境だけど、それは加藤さんが色々頑張って下さったからだ」と教えられました。そして、様々なライフイベントを経験する中で、その通りであると実感しています。ますますのご活躍を期待しております。(自分も)しっかり勉強したいと思います。

自分の勤務する組織に、「旧姓利用制度」を導入できたのも、何年にもわたる別居婚でもどうにかやってこれたのも、加藤先生のあとをおいかけてくることができたからです。(実験棟に女子トイレを作らせたら、サニタリーBoxがない点まで、おいかけました。。。)先生の見えていないところでも、とても感謝している後輩がいますよ、というお知らせです。


女性天文研究者の会に寄せられた感想より(本人の許可を得て掲載):

女性天文研究者の会の皆さまへ よくぞこのようなイベントを企画していただきました。感謝。広い世代の方々が聞いておられました。それぞれの世代に大変有益な会になったのだ、と思います。

あの場にいた人達に勇気が広がっていったと思います!

私は、勇気は伝染するものだと思っています。

会の途中で、人権の問題だというお話もありましたが、男女関係なく、連携して、ハラスメント防止に動いていけたら、と思いました。

日本の物理学界のジェンダー意識の変遷が加藤先生の歩みを通してくっきりと浮かび上がり、いまも論文を出されている現役の研究者としての生き方がかっこよく、大変学びの深いイベントでした。

女性研究者の生きづらさとか大変さがよくわかった。自分の手の届く範囲から問題があれば改善していけるよう、もっといろんな困りごとを聞いてみたい。

今回の講演会の男性の参加者で、大なり小なり意識が変わった方がいらっしゃったのではないかと推測します。

加藤さんのお話に圧倒されつつも、大いに励まされました。

老若男女、さまざまな方々が集まっていたのが印象的でした。若手世代の男性が思いの外、多く参加してくれていたことは、このような集まりではこれまであまりなかったことで、目を引きました。

強い女性でなければ(研究者として)生き残れないのでしょうか? (そうでなくても生きやすいように、コミュニティの環境が整っていってほしいです。。)

現状では、ハラスメント被害者が被害を訴えるには、自分自身で申し立て等をする必要があるが、被害者は深刻にダメージを受けている場合が多く、それ以上の精神的負荷のかかる行動ができず、業界を去ったり、自分自身を守るために告発等を見送るケースが多いと感じている。

現在の学会は、このような状況でも闘える精神力を持った人のみが残っているという印象を持っているが、これからの学会は、ハラスメント被害者の負荷を最小限にしながら被害をなくしていく仕組みがあるべきだと思う。

ハラスメントに関して、「いじめと同じように傍観はダメだ」という加藤万里子さんの講演のメッセージに大変共感しました。ただ、現状、「傍観者」となる場合が多く、ハラスメント被害者や被害者の味方になった人たちを守る制度がないのではないか、と感じています。だから第三者がその場を目撃しても黙っていたり、被害者は研究をやめざるを得ないところまで追い詰められてしまうのでないか、と思います。傍観して見過ごすことは、被害者を加害することと同じと私は思います。 被害者が勇気を持ってハラスメントを申し立てたとしても、被害者の意向や所属機関の方針によっては処分が公になりません。これでは被害者やその協力者は、加害者からの逆恨み等に怯えながら研究活動を続けていくことになります。それは、広い目で見て、日本の研究活動を低下させ、同じ加害者からのハラスメントを再生産させてしまうことにつながると思います。

第21回 2023年9月20日 女性天文研究者の会ミーティング(場所:名古屋大学東山キャンパス)担当世話人:藤井通子(東大天文)、熊谷紫麻見(日大理工)

テーマ:オンラインと対面への付き合い方(学会参加方法他)、ワークライフバランス、年齢とともに求められる役割が変わることへの戸惑い、日本で天文や物理分野で働く女性を増やすには?、これってハラスメント?など、特定のテーマを定めず、ちょっと聞いてみたい、情報交換したいテーマで。

第20回 2023年3月13日-16日 オンラインによる「よろず相談会」 よろず相談ページ

2023年3月16日「オンライン 交流会」

テーマ1:「男性の育休を女性と一緒に考える」話題提供:富田晃彦 氏(和歌山大学)

テーマ2:「女性限定公募へ応募しづらさはありますか?ざっくばらんに話してみよう」話題提供:馬場 彩 氏(東京大学)

担当世話人:望月優子(理研)、百瀬莉恵子(Carnegie Observatories)

年会ハイブリッド開催:立教大学(%「会合」募集なし)

第19回 2021年9月13日-15日 オンラインによる「よろず相談会」担当世話人:林左絵子(国立天文台)

・対象:日本天文学会員の女性の大学院生もしくはポスドクの方々。なお、自分は女性だと思っている方/
 「性自認」が女性の方、トランスジェンダーの方を含みます。又、今回から職に就いている会員や、男性会員
 からのご相談も可能となりました。

(相談員10名体制:下記リストをご覧ください)(年会フルオンライン開催:京都産業大学および京都大学)

第18回 2021年3月17日-19日 オンラインによる「よろず相談会」担当世話人:望月優子(理研)

・対象:日本天文学会員の女性の大学院生もしくはポスドクの方々。なお、自分は女性だと思っている方/
 「性自認」が女性の方、トランスジェンダーの方を含みます。(相談員:世話人5名)

・次回以降の「女性天文研究者の会」によるオンライン「よろず相談会」相談員の募集も行い、4名の新たな
 会員から立候補頂き、相談員として加わって頂くことになりました。また、男性会員からもコンタクト頂き、
 今後の相談員候補として加わって頂きました。(年会フルオンライン開催:東京工業大学)

第17回【女性天文研究者の会発足10周年記念】2020年3月19日(新型コロナ対応により延期)
加藤万里子氏(慶應大学名誉教授)によるご講演を予定 担当世話人:望月優子(理研)
(新型コロナ対応により年会中止。場所:筑波大学)

第16回※ 2019年3月16日 ランチミーティング(場所:法政大学)担当世話人:奥村幸子(日本女子大)

・IAUの男女共同参画事業と連携し、有志の女性会員のビデオメッセージを作成

第15回 2018年9月21日 ランチミーティング(場所:兵庫県立大学)担当世話人:熊谷紫麻見(日大理工)

テーマ:キャリアパスについて

第14回 2018年3月14日 交流夕食会(場所:レストラン)担当世話人:中道晶香(京都産業大)

・意見交換・情報交換を行いました。

第13回※ 2017年9月11日 ランチミーティング(場所:北海道大学)担当世話人:林左絵子(国立天文台)

テーマ:「ハラスメントを防いで活動しやすい学会にしよう」

サブテーマ:学会や職場にはどんな規定があるのかを知ろう

第12回※ 2017年3月18日 ランチミーティング(場所:九州大学)担当世話人:奥村幸子(国立天文台)

テーマ: 日本天文学会の女性委員・女性理事の割合と今後について  発表者:望月優子(学会副会長時)

第11回※ 2016年3月15日 トークと交流の会(場所:首都大学東京の施設)担当世話人:望月優子(理研)

テーマ:「更年期とアフター更年期をいかに工夫してうまく仕事をやっていくか」

第10回 2015年3月18日 トークと交流の会(場所:大阪大学付近施設)担当世話人:中道晶香(京都産業大)

テーマ:教員養成大学への就職とそこでの仕事と研究について 濤崎智佳氏(上越教育大学)によるご講演 (男女共同参画委員会が協力)

第9回※ 2014年9月12日 トークと交流の会(場所:山形大学)担当世話人:奥村幸子(国立天文台)

テーマ:「星空案内人資格認定精度とわたし」 渡邉瑛里氏(山形大学)によるご講演

第8回※ 2014年3月22日 トークと交流の会(場所:国際基督教大学)担当世話人:望月優子(理研)

第1部テーマ: 「過度なストレスから心と身体の健康を守ってよい研究を〜知らないと損する10の知恵〜」  
講演者:望月優子(日本天文学会男女共同参画委員、「女性天文研究者の会」世話人)

第2部テーマ:意見交換会

第7回 2013年9月11日 トークと交流の会(場所:東北大学)担当世話人:中道晶香(京都産業大)

テーマ:「女子大学生誕生100周年記念ミニ談話会」東谷千比呂氏(東大宇宙線研)によるご講演

(男女共同参画委員会が協賛)

第6回 2013年3月22日 ランチミーティング(場所:埼玉大学)担当世話人:熊谷紫麻見(日大理工)

・意見交換・情報交換を行いました。

第5回 2012年9月19日 ランチミーティング(場所:大分大学)担当世話人:熊谷紫麻見(日大理工)

テーマ:職場の移動があった時、家族は?、育児/介護と研究/仕事を両立させるためには、IAU会員の女性比率、日本が特に低い理由、キャリアパスに性差はあってよいのか、ハラスメントにぶつかったら

第4回 2012年3月20日 ランチミーティング(場所:龍谷大学)担当世話人:熊谷紫麻見(日大理工)

テーマ:リーダーシップと人間関係、キャリアパスの考え方、子育てと研究・仕事と両立、女性の働き方と周囲の理解、人権侵害への対処

第3回 2011年9月20日 ランチミーティング(場所:鹿児島大学)担当世話人:奥村幸子(国立天文台)

テーマ:リーダーシップと人間関係、子育てと研究・仕事と両立の工夫、女性の働き方と周囲の理解、キャリアパスの考え方等

第2回 2011年3月19日(東日本大震災によりキャンセル)担当世話人:奥村幸子(国立天文台)

テーマ:リーダーシップと人間関係、子育てと研究・仕事と両立の工夫、女性の働き方と周囲の理解、キャリアパスの考え方等(東日本大震災により年会中止。場所:筑波大学)

第1回 2010年9月24日 ランチミーティング(場所:金沢大学)担当世話人:望月優子(理研)

テーマ:「女性研究者の(特に上位)ポストが増えていかない現状について」永原裕子教授(東京大学)によるご講演

天文学会男女共同参画委員会との共催について

2014年3月より、女性天文研究者の会および男女共同参画委員会における申し合わせにより、下記の場合、男女共同参画委員会が女性天文研究者の会の共催となることになりました。

1)会の担当世話人が男女共同参画委員を兼ねている場合は、女性天文研究者の会の活動を男女共同参画委員会
  の活動ともみなして、会主催、委員会共催とする。

2)日本天文学会内外から講演者をお招きする場合、学会活動としてオーソライズされ、より広く会員にお聴き
  頂くことが望ましいケースも想定される。その場合、事前調整を行った上で、会主催、男女共同参画委員会
  共催とする。

「女性天文研究者の会」世話人

(五十音順)

石垣美歩(国立天文台) 奥村幸子(日本女子大学)
熊谷紫麻見(日本大学) 中道晶香(京都産業大学)
林左絵子(国立天文台) 藤井通子(東京大学)
藤井友香(国立天文台) 望月優子(理化学研究所)
百瀬莉恵子(Carnegie Observatories) Alexander Wagner(筑波大学)

「よろず相談」相談員

(五十音順)

石垣美歩(国立天文台) 奥村幸子(日本女子大学)
熊谷紫麻見(日本大学) 中道晶香(京都産業大学)
林左絵子(国立天文台) 藤井通子(東京大学)
藤井友香(国立天文台) 望月優子(理化学研究所)
百瀬莉恵子(Carnegie Observatories) Alexander Wagner(筑波大学)