《一般向けアウトリーチ》

研究紹介&プレスリリース

南極ドームふじアイスコアのイオン分析(2017/3/6)

共同研究『南極ドームふじアイスコアを1年刻みで化学組成分析』をプレスリリースしました。
過去約1300年分のさまざま成分を含むアイスコアのイオン濃度を1年刻みで詳細に分析し、その結果、成層圏由来成分の存在や大規模気象擾乱(じょうらん)の痕跡を発見しました。
詳細はこちら新聞記事

理研環境報告書2015

理研環境報告書2015に、当ユニットの研究、『南極の氷床コアから太陽活動と気候変動の関係を探る』が紹介されております。 ぜひご覧ください。 ダウンロードはこちら

2015年度文部科学省科学技術週間展示

(招待講演)望月優子:「地球規模の気候に影響を与えた火山噴火に関する南極アイスコア科学の推進」(パネル発表)、2015年度文部科学省科学技術週間展示、千代田区、2015年4月13日-19日.

理研ニュース2014年6月号【研究最前線】

理研ニュース6月号(2014年6月5日発行、公称9,000部)の【研究最前線】に、当ユニットの研究、『南極の氷床コアから太陽活動と気候変動の関係を探る』が紹介されております。 ぜひご覧ください。 ダウンロードはこちら

国際共同研究プレスリリース

国際共同研究『南極大陸アイスコアからさぐる過去2000年の火山噴火の歴史』をプレスリリースしました。英国の科学雑誌『Nature Climate Change』オンライン版(7月6日付け)に掲載された当ユニットの研究成果の紹介です。 詳細はこちら  米国プレスリリース(望月のコメント入り)はこちら



その他の記事

文部科学省機関誌 STI Horizon掲載記事

望月優子:「ナイスステップな研究者から見た変化の新潮流」、文部科学省機関誌 STI Horizon、2017年第3巻1号、pp. 17-20 記事

一般向け講演 (2011-present)

日本天文学会秋季年会公開講演会「南極アイスコアからひもとく私たちの宇宙と地球の歴史」

日本天文学会 2017年秋季年会にて望月が公開講演をしました。詳細・ポスター

会議名 日本天文学会 2017年秋季年会 公開講演会
講師 望月優子
講演題目 「南極アイスコアからひもとく私たちの宇宙と地球の歴史」
日時 2017年9月10日(日)13:00〜16:00(開場 12:30)
場所 北海道大学 学術交流会館大講堂(札幌駅北口から徒歩約7分)
対象 高校生以上、一般向け
参加費 無料(事前申し込み不要)
参加者 102名
要旨 南極大陸にある日本の「ドームふじ基地」で掘削されるアイスコア(円柱状の氷の試料)には、過去の地球の気候変動や宇宙からの情報が保存されています。過去の太陽活動、過去の地球の気候変動と太陽活動との関係、また私たちの天の川銀河で過去に起きた、星が生涯の最後に起こす超新星爆発の候補となるシグナルなど、ドームふじのアイスコアに刻まれた宇宙と地球の歴史をひもといて、私たちと宇宙とのつながりについて一緒に考えます。

講演の様子


理研一般公開2017サイエンスレクチャー
「宇宙と生命とのつながり〜生命と元素、星、宇宙のリズム〜」

理化学研究所の一般公開2017にて望月がサイエンスレクチャー(p.6)をしました。

講師 望月優子
講演題目 「宇宙と生命とのつながり〜生命と元素、星、宇宙のリズム〜」
日時 2017年4月22日(土)  15:30-16:30(質疑応答:16:00-16:30)
場所 理化学研究所、中央地区レーザー研究棟C32(大河内記念ホール)

一般公開当日は、大河内ホールの収容定員が110名のところ、約220名の方に講演を聞いて頂くことができました。ご興味を持ってご来場くださり、誠にありがとうございました。後から会場外のモニターの立ち見もできなかった方がおられるとお伺いしました。大変申し訳ございませんでした。
講演内容についてご質問等ございましたら、会場でお配りしたレジュメのメールアドレスにご連絡先(お名前、メールアドレス)を添えてお問い合わせいただけましたらご返事いたします。

講演内容の参考資料は以下ですのでよろしければご参照ください。
望月優子、佐藤勝彦:『人類の住む宇宙 第2版』(シリーズ現代の天文学 第1巻)、pp. 99-144(「第3章 元素の起源」)、岡村定矩他編、日本評論社、2017年3月.

広報室アンケートの結果

アンケート回収状況
来場者数(一般公開全体):8,164名
アンケート回収数:636枚(回収率8%)
広報室アンケート(2017/6/27版)「印象に残っているイベント」より抜粋

  • 生命と宇宙のつながりを「元素」を軸にお話し頂いて大変楽しかったです。時計遺伝子、黄金比、興味深いと思います。
  • 我々にも分かりやすい形で説明してくださり、大変勉強になりました。
  • 先生との距離感も学校の教室のようで親しみがもてました。
  • とてもわかりやすく夢がありおもしろかった!

「現代の錬金術」

望月優子 「現代の錬金術」
来訪者 東京大学工学部応用化学科昭和33年卒業同期会「アルケミ―研究会」
場所日時 研究本館423室、2016年5月23日、13:00-15:00

「宇宙と生命とのつながり〜生命と元素、星、宇宙のリズム〜」

(招待講演) 望月優子:「宇宙と生命とのつながり〜生命と元素、星、宇宙のリズム〜」、平成27年度スーパーサイエンスハイスクール生徒研究会発表会、大阪、2015年8月6日. 案内

「南極アイスコアから探る環境変動」

(招待講演)望月優子:「南極アイスコアから探る環境変動」、文部科学省科学技術・学術政策研究所主催「近未来への招待状〜ナイスステップな研究者2014からのメッセージ」、千代田区、2015年7月27日.  開催案内

最先端・次世代研究開発支援プログラムに関する《国民との科学・技術対話**》

**《国民との科学・技術対話》は、公的研究費、特に平均の年間配分額が3千万円以上の公的研究費を受ける研究者による、研究の内容や成果を社会・国民に対してわかりやすく説明するコミュニケーション活動です。

第5回:「女子中高生夏の学校2013~科学・技術者のたまごたちへ~」

開催場所:国立女性教育会館、埼玉県比企郡嵐山町

開催年月日:2013年8月9日 13:00-17:30 (2013年8月8日~10日 2泊3日内)

対象:全国の女子中高生100名ならびに保護者、教員等 50名
(うち、日本天文学会ポスターブースへの来訪は、生徒約70名)


ポスター展示・キャリア相談 日本天文学会『宇宙を観る・宇宙を知る~天文学最前線で活躍する女性研究者たち』
日本天文学会からの参加者:望月優子ならびに女子大学院生3名(埼玉大学大学院理工学研究科D1、M2、M1)

内容

 「現代の天文学は、大型の電波望遠鏡群、巨大な反射鏡をもつ可視光望遠鏡、宇宙空間から観測する軌道望遠鏡など、科学技術の粋をあつめて作られた装置をつかって宇宙を観測しています。そこでは、世界各国から集まった様々な職種の人たちが、活躍しています。これらを実際に使って観測している研究者や大学院生が、最新の研究や研究者の生活について紹介します。天文学について、将来の進路について、何でも聞きに来て下さい。」

展示および説明したポスタータイトル:
1.「太陽活動と気候変動〜昔、今、そして未来予測。私たちと宇宙とはつながっている〜」
2.「最新の天文観測〜X線天文衛星すざく、ハワイすばる望遠鏡、南米チリALMA望遠鏡など〜」

キャリア相談:
 ◎女子中高生の理系進路選択支援の相談受付(生徒6名ずつの班で、約70名を対象)
 受けた質問の例:
・物理(あるいは化学)を専門にしたいが数学ができない、進路はどう考えたらよいのか?
・理系科目以外でやっておいたほうがよい科目はあるか?
・中学生や高校生の時、一日何時間くらい勉強したのか?
・理系女子は割合が少ないと聞く。自分は研究者になりたいが、女子で研究職につくのは不利ではないのか?
・大学で宇宙を学びたいが、天文学科があるのは東大、京大、東北大しかないので、自分は突破できるかどうか悩んでいる。
など。

第4回:「元素誕生〜私たちは星の子ども〜」

講師:望月優子

開催年月日:2012年8月9日(木)

開催場所:東京大学本郷キャンパス小柴ホール [2012年度日本物理学会科学セミナー]

対象:学生、教員、一般 160名

プログラム

講演内容

 私たちの周りの世界に目を向けてみよう.地球上に存在するすべての生きとし生けるものが,また私たちの暮らしを支えているあらゆるものが,すべて元素から成り立っている.生命の素となる元素はどこで生まれ,私たちにたどり着くまでにどのような旅をしてきたのだろうか?本講演では,137億年前のビッグバンとよばれる宇宙の始まりから現在にいたるまで,宇宙の進化の過程で多様な元素がいつ,どのように生成されてきたかについて解説する.特に,原子番号26の鉄から天然に存在する元素では最も重い原子番号92のウランまでの元素の約半数については、いまだに宇宙のどこで、どのように生成されたのかわかっていない.現在の最新の理解と,解明にむけての取り組みを紹介する.また銀河系の物質(元素)が超新星爆発という大質量をもつ星の一生の最後の大爆発によって循環し,宇宙の様々な偶然が重なって地球に生命が誕生したことについても言及する.

*本講演では、NEXTプログラムに関わる南極氷床コア研究についても紹介しました

▲講演の様子1〜3

講演の感想

 本講演後に回収されたアンケートでは、講師10名による講演中、「面白かった」最多票。また、
「望月先生:こんな風に研究生活を送っている先生がいる、ということを女子で理系へ進学を考えている生徒(女子高生)に聞かせたいと思う講演でした。」 といった感想がよせられました。
物理学会によるアンケート結果はこちら

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第3回:「雪氷コアからさぐる過去の太陽活動と気温変動」

講師:望月優子

開催場所:理化学研究所和光本所RIBF棟2階大会議室 [理化学研究所仁科センター月例大会特別講演]

開催年月日:2012年7月3日(火)

対象:大学院生、事務職員、他分野の研究者 100名

講演内容

 私たちは、地球の温暖化やゲリラ豪雨などの気象現象の激化を日常的に感じるようになった。一番最近の国連ユニセフ・ニュース(unicef news No.233)では、気候変動がアフリカなどで弱い立場の子供たちを直撃している現状が報告されていた。一方、昨今の太陽活動の低下によって、今後(小)氷期に入りしばらく寒くなるかもしれないという報道や科学雑誌の特集(例えば、日経サイエンス2012年8月号:特集「太陽異変 活動低下で地球は寒冷化?」)があった。この寒冷化の可能性は、温暖化と相殺するのかと疑問に感じる人もいるようだ。本当はどうなのか、現状では、どこまでわかっていて何がわかっていないのか?未来をよりよく知るために、南極の氷を使って、過去の太陽活動と気温との関係を調べようという推進中の研究を紹介する。

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第2回:「雪氷コアからさぐる天文・宇宙のサイエンス」

講師:望月優子

開催場所:神奈川県立横浜翠嵐高等学校 [平成23年度職業講話]

開催年月日:2012年3月9日(土)

対象:高校1〜2年生 110名

講演内容

 アイスコアとは、南極大陸などに降り積もった雪が固まった氷床から円柱状に切り出した氷の試料である。雪が降った当時の大気を含み、氷の深さと年代とが対応しているので、アイスコア中の同位体元素やイオンなどの濃度を分析すれば、いつ、どのような大気成分の変動が起きたか知ることができる。一般に過去の気候変動の研究に用いられるが、講演者らのグループでは、特に過去の太陽活動に着目して研究を進めている。氷中の硝酸イオンの濃度を精密に分析することによって、望遠鏡が発明される前の時代の太陽活動周期がわかってきつつある。そして過去の太陽周期がわかると、その時代の太陽の活動強度が推測できる。太陽活動の強さは、気候変動や、人類の文明の盛衰にさえも影響を与えてきたと考えられている。また、太陽や月に関係する宇宙の周期(リズム)は、地球上の生命の進化の過程で、人間をはじめあらゆる動植物に体内時計として組み込まれている。このように私たちは宇宙とつながっており、地球上で決して孤立して生きているわけではないことについても言及する。

生徒の感想

  • 先生の話を聞いて一番感じたことは、特定の分野だけでなく様々な分野の知識をもって研究していくことが大切なのだということです。先生の研究はいろいろな分野に関連していて(歴史や生物などにも)、多くの知識を持って初めてわかることもたくさんあるだろうと思った。質問の時間で、受験においては規則正しい生活、人に教えることで自分の知識が定着するという話も参考になりました。語学はツールであって目的ではない、目的も語学も同じくらい重要という言葉に励まされました。
  • 雪氷コアという言葉は今までの人生で聞いたことはありませんでした。しかし、これを分析することで多くの謎を深く知るための端くれのようなものを手に入れることができるのだとわかりました。今、翠嵐高校は地学の勉強はしませんので、天文学についてはあまり知りませんが、自分が理系人間としてやりたいことは「宇宙もしくは地球環境」に関することなので、この講話はとてもおもしろかったです。
  • ある星が超新星爆発を起こし、それによって放出された様々な物質を今度は別の超新星がトリガーすることで次世代の星が誕生し、そしてまた超新星爆発を起こす…まるで原子という廃棄物を星がリサイクルしているようで、宇宙ってエコなのかなあと考えた。
  • 雪氷コアから超新星爆発を調べるその原理や過程について自分なりに理解することができました。今回の講話を聞いて、知識分野はもちろんですが、自分に興味があることをやること、夢をもち真剣に追いかけることなど、今から自分たちにできる心構えや自分にとって楽しいと思える生活を送るための準備を学んだ気がしました。
  • 講話の中に専門的なことだけでなく、進路選択やこれから生きてゆく社会において必要なことも詰まっており大変参考になりました。
  • いろいろな分野に視野を広げて常に新しいことを知ろうという気持ちに感動した。
  • 一度だめになった研究をもう一度研究し直して確実性のある結果を引き出すのは強い精神力と体力が必要だと思った。
  • 「夢を持つこと;好きなことをやるとラッキーがついてくる」という言葉を聞いて、たとえ自分の夢の実現が困難であるとしても諦めず努力していこうと思った。
  • 「自分がわくわくすることをやる」というメッセージが印象的でした。
  • 10月の校外研修で立川の国立極地研究所に行ったので雪氷コアは見たが、今日の説明を聞いて理解を深められました。
  • 南極の氷から宇宙のことがわかるという話は初めてで心を引かれた。
  • 南極の氷のアイスコアを調べることによって宇宙での超新星爆発という現象がわかるということがとても新鮮に感じた。南極大陸にいってみたい。
  • アイスコアを3キロメートル分も採取するという作業が大変で辛抱強く待つというのも成功へつながる大切な要素だと感じた。
  • 宇宙で起こった出来事が人間の歴史や文化に影響を与えているという内容に驚いた。
  • 宇宙のいろいろな周期に人間や動植物の様々な周期があっているということに感動しました。
  • 時計遺伝子があるというのには驚き、3.5日の周期も何に関連するのか早く知りたいと思いました。

(講演者の母校での講演です)

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第1回:「わたしたちは星のこども〜宇宙と生命とのつながり〜」

講師:望月優子

開催場所:二本松市市民交流センター[第3回全国同時七夕講演会・被災地支援出前講義]

主催:NPO法人子育て支援グループこころ(福島県二本松市)日本天文学会

開催年月日:2011年7月10日(日)

対象:小学生〜一般 18名

講演内容

 宇宙開闢から今ここまで137億年の元素誕生の歴史、そうやって生まれた多様な元素をとりこんで進化した地球上の生命、それら生命が太陽や月といった宇宙のリズムに従って命を刻んでいることを知り、わたしたちと宇宙とのつながり、生命のかけがえのなさについて一緒に考える。

聴講者の感想

[アンケート1]

性別など:女性 20代 会社員

どこから:福島県郡山市

どこで知ったか:ホームページ、知人・友人

企画について:非常に面白かった、難易度:やや難しかった、時間の長さ:やや短い

感想:

  • 夢のある講演でした!良い経験、良い時間をいただきました。元素のお話とのことで難しいのかなとも思っていましたが、私たちの身体に宇宙とのつながりを感じ、遠くにしか思えなかった宇宙が身近に思え、以前よりも興味を持てるようになりました。
  • 「黄金角」にはロマンを感じました!137が宇宙のラッキーナンバーということも面白く、宇宙のリズムと私たちの生体時計がつながったこと、宇宙の周期を人間が取り込んでいることに面白さを感じるとても楽しい時間でした。

[アンケート2]

性別など:女性 60代 その他(アロマアドバイザー)

どこから:福島県本宮市

どこで知ったか:ポスター

企画について:非常に面白かった、難易度:適当だった、時間の長さ:適当

感想:

  • 自然界の不思議にとても興味があり、参考になりました。
  • 命とは何か?ということが、元素の集合体を通して少しわかったような気がしました。
  • 化学と自然と人間が、すべて宇宙につながっていることに感激しました。

[アンケート3]

性別など:女性 70代

どこから:福島県二本松市

どこで知ったか:ちらし

企画について:非常に面白かった、時間の長さ:適当

感想:

  • 有意義でした。
  • 参加者の人数が少なくて残念です。

[アンケート4]

性別など:女性 40代 パート・アルバイト

どこから:福島県二本松市

どこで知ったか:新聞

企画について:やや面白かった、難易度:適当だった、時間の長さ:適当

感想:

  • 137が宇宙のラッキーナンバーということがわかった。

[アンケート5]

性別など:女性 50代 公務員

どこから:福島県二本松市

どこで知ったか:ちらし

企画について:やや面白かった、難易度:適当だった、時間の長さ:適当

感想:

  • 黄金律と宇宙の関係がとても面白かった。

[アンケート6]

性別など:女性 20代 主婦 (9才(小学生)の子供と参加)

どこから:福島県

どこで知ったか:友人・知人

企画について:非常に面白かった、やや難しかった、時間の長さ:やや長い

[アンケート7]

性別など:女性 30代 主婦 (9才(小学生)以下の娘3人と参加)

どこから:福島県二本松市

どこで知ったか:ちらし

企画について:やや面白かった、やや難しかった、時間の長さ:適当


アンケート作成:日本天文学会全国同時七夕講演会事務局 アンケート回収:現地NPO法人)

簡単で分かりやすい研究の解説

随時、分かりやすく更新中

プロジェクトについて

最先端・次世代研究開発支援プログラム

 南極氷床コアからさぐる過去2000年の太陽活動に関する分野横断的研究」 本研究では、南極大陸の日本の基地「ドームふじ」にて掘削されたばかりの新しい氷床コアに対して、太陽活動の新しい指標になると我々が考えている「硝酸イオン濃度」と、気温の指標となることが雪氷学上で既に確立されている酸素同位体比(質量数の異なる酸素18Oと16Oの量の比)等を分析し、過去 2000年間の太陽活動とその気温変動との関係を探究する実験的・理論的研究を推進しています。

★ 硝酸イオン(NO3-

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アイスコアについての説明

氷床コアとは?

氷床コアとは、南極大陸などに降り積もった雪が固まった氷床から円柱状に切り出した氷の試料である。

極地の氷床(アイスコア)は、時間分解能が高いこと、過去数十万年前以前まで連続して遡れること、昔の空気そのものを含む環境シグナルを保存していることなどから、地球環境のタイムカプセルとも言える優れた記録媒体である。

・ 私たちの研究では南極地下で掘削された氷柱(過去2000年分)を使用。2000年分で約80mに達する。

 

▲氷床コア2700m付近             ▲2884mコアブレイク面

▲コアの貯蔵
写真引用元:No.1,No.2(NIPR提供),No.3(アイスコア,成山堂書店,P13より)

氷床コアはどこで掘削される?

南極のドームふじ基地:南極の内陸にあり高度3,810mで平均気温は-57℃。

なぜドームふじ基地なのか、それは、降雪環境が独特で成層圏成分が卓越しているため。

▲南極大陸の氷床コア掘削地点

図引用元:No.4(JGL, Vol.7,No.1,7-9,2011より)

★★成層圏(せいそうけん、stratosphere)

氷床コアから何が分かるのか?

長期にわたる気候変動(気温、大気成分)や環境変化(陸域環境、海洋環境)を知る事ができる。

▲氷床コアの分析からわかる気候や環境の状況

図引用元:NO.5(アイスコア,成山堂書店,P28より)

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硫酸イオンと火山活動

硫酸イオンスパイクから何が分かるのか?

火山が噴火すると大気中に硫酸イオンが飛ばされ、その大気は循環によって極地輸送され後、大気を含んだ雪として降り積もる。

過去に確認されている大規模火山噴火と氷床コアサンプル中の硫酸イオンのスパイク(グラフのプロットが急激な上昇を見せること)はマッチングしている。

▲DF01-B32 volcanic matching
図引用元:No.6(JGL, Vol.7,No.1,7-9,2011より)

▲火山灰の層
写真引用元:No.7(アイスコア,成山堂書店,P13より)

▲大気の循環と極域氷床へ輸送される諸起源物質
図引用元:No.8(アイスコア,成山堂書店,P19より)

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硝酸イオンと超新星爆発・太陽フレア

硝酸イオンのスパイクから何が分かるのか?

超新星爆発時に大量に生成される不安定同位体ニッケル56(56Ni)→コバルト56を介して→安定な鉄56に崩壊する。この崩壊過程で核ガンマ線(高エネルギーの光子)が放出される。この核ガンマ線が地球に達すると、成層圏で大気に吸収され、化学反応を引き起こして大気の化学組織を変動させる。大気の主成分である窒素(N2)と酸素(O2)を材料に、最終的に硝酸(HNO3)が生成される。生成された硝酸をはじめとする窒素酸化物は大気の循環によって南極へ運ばれて、沈降して氷床中に保存されると考えられる。

高エネルギーの陽子が成層圏に到達しても、基本的に超新星ガンマ線と同じ反応が起きる。例えば、巨大な太陽フレアに伴う太陽プロトン現象でも、超新星と同様な硝酸イオンスパイクが生じる可能性がある。

★★★太陽フレア(Solar Flare)・太陽プロトン現象(solar proton event)
★★★★超新星爆発(Supernova)

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太陽活動について

太陽周期とは?

太陽大気中のさまざまな活動現象は、その多くが磁場によって支配されている。太陽黒点は磁場が集中していると考えられおり、太陽黒点の観測は、太陽のみならず天文学のなかでも、もっとも長い歴史を持つ。

11年周期:太陽面上に現れる黒点数は約11年の周期で増減を繰り返していることが分かっている。この法則性を見いだしたのは19世紀のシュワーベであった。(=シュワーベ周期)

22年周期:黒点磁場の極性は、南北半球で対構造を持ち、1周期(11年)ごとに反転する、ということをヘールたちが発見した。(=ヘール周期)
(以上、シリーズ現代の天文学—太陽p195-197より)

知られている活動周期:11年、22年、50年、88年、107年、205年、420年、2300年

中・長周期変動は気候変動に関連

太陽活動と気温との関係とは?

太陽黒点は太陽活動が活発に起こっている場所で、それが多く現れているときに太陽面爆発現象が頻発し、太陽からの放射も増加する。太陽黒点数は11年で増減するが、より長期的な変化もしており、西暦1700年以前のある時期に極端に少なくなっていることが分かる。この太陽黒点がほとんど現れなかった1645〜1715年の期間をマウンダー極小期と呼んでいる。また、1430〜1550年頃も太陽黒点がおそらくほとんど現れなかったと推定されており、シュペラー極小期と呼ばれている。これらの時期にあたる1400〜1650年頃は世界的に気温が低く「小氷期」と呼ばれている。ロンドンのテムズ川やオランダの運河など、現代では冬でも凍らない川や海が毎年氷結するなど、寒冷な気候であったことが記録されている。
(太陽地球系科学P175より)

▲太陽黒点数
図引用元:No.10(NEXTプログラム研究概要より)

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アイスコアの年代決定

アイスコアの年代決定

硝酸イオンの濃度から→過去の火山活動、超新星爆発、太陽フレア

酸素同位体比から→過去の気温変化

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研究を理解する為のキーワード

★硝酸イオン(NO3-は雪の中にある代表的な陰イオンであり、硝酸の沈着は、大気中の窒素酸化物(NOx)、オゾン(O3)、およびヒドロキシルラジカル(OH-)の大気中の反応により沈着したものだと言える。窒素酸化物の陸域源は化石燃料やバイオマスの燃焼、生物によって生成された土壌からの排出、雷の燃焼である。窒素酸化物は硝酸(HNO3)を形成する水と反応する。高エネルギー粒子や放射線の地球外源は、地球の電極から侵入し、大気中でイオン化して硝酸イオンを形成する。重力のかかった硫酸イオンは乾燥や降雪の結果、降下して地表に沈着する。硝酸イオンの記録は長期にわたる気候変動や太陽活動を研究するうえで重要なのである。

★★成層圏(せいそうけん、stratosphere)とは、地球の大気の鉛直構造において対流圏と中間圏の間に位置する。対流圏と成層圏との境目は対流圏界面(高度は極地で約8km、緯度が低くなるに従って高くなり赤道付近で約17km)、成層圏と中間圏との境目は成層圏界面(高度約50km)と呼ばれる。

★★★太陽フレア(Solar Flare)とは、太陽表面での爆発のことである。太陽プロトン現象(solar proton event)とは、約10〜500MeVの高エネルギー陽子が成層圏を直撃する現象。

★★★★超新星爆発(Supernova)とは、【重力崩壊型】:縮まろうとする重力に対抗して、星が自身の重さを支えられなくなることで起こる爆発。【核反応暴走型超新星額発】:白色矮星とよばれる高密度な天体が特殊な連星系(重力的に結びついて、お互いの共通重心のまわりを廻っている2つの星の対)に属しているときに、連星系の進化の最後に核爆発を起こしてこっぱみじんに飛び散る。この2つのタイプがある。超新星爆発によって、星の内部で作られた多様な元素が宇宙空間にまき散らされ、地球などの惑星や人類や全ての生命の原料となった。